様々な姿の女性を描くことは、日本美術における重要なテーマのひとつでした。古くは正倉院に伝わる《鳥毛立女屏風》から始まり、江戸時代には鈴木春信や鳥居清長などの浮世絵師たちが新時代の女性像を創出していきました。それらはいつしか「美人画」と呼ばれるようになり、大正時代には、文部省が主導する展覧会のなかでも「美人画室」という専用の展示室が設けられるほどになりました。
本展は、そのような江戸時代末期から昭和初期にかけて絶大な人気を博した「美人画」に注目する展覧会です。「ジャパン・ビューティー」展自体は、5年前の東京会場を皮切りに数県を巡回している企画ですが、長崎会場では大正時代に活躍した長崎出身の女性画家・栗原玉葉(くりはら・ぎょくよう 1883―1922)の作品も同時に展示します。現在ではその名を知る人すら少ない玉葉ですが、大正時代には「西の上村松園、東の栗原玉葉」と称され、多数の門弟が集まりました。今回の総出品数およそ130点のうち、現存する数少ない文部省美術展覧会入選作を含む約60点の玉葉作品を展示します。彼女の本名にちなんだ「綾」というサインの残された初期の作例から晩年にたどりついた文学性豊かな作品まで、関係資料などと共に玉葉の画業をひもといていきます。




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美人画の優品の数々を九州初公開 長崎ならではの新たなるジャパンビューティ展です

長崎がうんだ夭折の日本画家・栗原玉葉 その全貌を初公開!


明治16(1883)年、長崎県南高来郡山田村に生をうけた玉葉は、梅香崎女学校を卒業した後、絵画の道へ進むことを決心し、単身上京します。女子美術学校や寺崎廣業(てらさき・こうぎょう)のもとで研鑽をつみ、大正2(1913)年の第7回文展に《さすらひ》を出品。初めての官展出品作にもかかわらず入選をつかみ取り、大正11(1922)年に亡くなるまでの9年間において、毎年のように権威ある展覧会への入選を繰り返しました。大正時代には「西の上村松園、東の栗原玉葉」と時に称され、彼女のもとには100人ほどの門弟が集まりました。南極体験で名をはせた白瀬矗(しらせ・のぶ)の三女・千代子も通いの弟子であり、片足が不自由だった千代子は、松葉杖に寄りかかりつつも玉葉のもとを熱心に訪れたといいます。
 本展では、長崎を中心に日本各地で大切に受け継がれてきた作品が、生誕の地である長崎に集結します。

関連講演会・イベント情報
※講座・イベントの内容は予告なく変更になる場合がありますので予めご了承ください

◎関連講座・シンポジウム


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【講演会】失われゆく玉葉を求めて

 日 時: 2018年12月16日(日)14:00~

 講 師: 五味俊晶(当館研究員)

 会 場: 1階ホール(定員140名) ※聴講無料・先着順

 


【講演会】美人画とは何だったのか

 日 時: 2018年12月24日(月祝)14:00~

 講 師: 古田亮氏(東京藝術大学大学美術館准教授)

 会 場: 1階ホール(定員140名) ※聴講無料・先着順

 


【長崎学講座エキスパート】栗原家の秘密

 日 時: 2019年1月12日(土)10:30~

 講 師: 五味俊晶(当館研究員)

 会 場: 1階講座室(定員30名) 

 受講料: 500円(友の会300円)※要事前申込み 

 


【講演会】近代美人画の誕生と移り変わり

 日 時: 2019年1月12日(土)15:00~

 講 師: 菊屋吉生氏(山口大学国際総合科学部教授)

 会 場: 1階ホール(定員140名) ※聴講無料・先着順

 


【シンポジウム】栗原玉葉をめぐる物語

 日 時: 2019年1月13日(日)14:00~

 講 師: 菊屋吉生氏(山口大学国際総合科学部教授)

       野地耕一郎氏(泉屋博古館分館長)

       塩谷純氏(東京文化財研究所)

       伊藤たまき氏(斉藤清美術館)

       田所泰氏(東京文化財研究所)

       五味俊晶(当館研究員)

 会 場: 1階ホール(定員140名) ※聴講無料・先着順

※参加無料・事前申込み不要ですが、展覧会チケットが必要です。


【シンポジウムチラシ ダウンロード PDF:929KB】

 


◎特集展示「美人画」との格闘


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「美人画」という一種卑近なジャンルのなかで、かつての日本画家たちがどのような試行錯誤を繰り返していったのか、江戸期から昭和期にかけての女性像を展覧することにより、その変遷と時代ごとの特徴を考えていきます。特別企画展「新章 ジャパンビューティ」とあわせてご覧ください。


日 時: 2018年12月5日(水)~2019年1月20日(日)8:30~18:00

会 場: 2階特集展示室(歴史文化展示ゾーン内)

観覧料: 新章ジャパンビューティ観覧券、または常設展観覧料でご覧いただけます。

◎きもの着付け体験


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着物を着て博物館を満喫!


日 時: 2018年12月15日(土) 、16日(日)
      10:00~12:00、13:00~15:00

受 付: 1階会議室(予定)

定 員: 各日20名程度 ※身長150cm程度以上の女性 対象

講 師: 松岡着物着付教室

参加費: 3,000円(本展観覧料込み)※電話かFAXで要事前申込み

◎ギャラリートーク


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当館研究員が、展覧会の見どころや作品について解説します。


日 時: 2018年12月15日(土)、2019 年1月1日(火祝)、19日(土)
      14:00~15:00

会 場: 3階企画展示室


※参加無料・事前申込み不要ですが、展覧会チケットが必要です。

◎呈茶


呈茶イメージ

 


平戸に伝わる武家茶道・鎮信流による呈茶を行います。


日 時: 2018年12月16日(日)、24日(月祝)、2019年1月6日(日)13:00~16:00

会 場: 1階エントランス

協 力: 鎮信流長崎支部

参加費: 500円(茶菓子代)

◎はぎれアクセサリー作り


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お好みの布を選んで、オリジナルのアクセサリー(帯留めまたはブローチ)を作ります。


日 時: 2018年12月22日(土)10時30分~12時30分

会 場: 3階ロビー

対 象: 小学生以上

参加費: 500円 ※電話かFAXで要事前申込み・大人の方は要観覧券

◎親子で「びじんが」ツアー


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展覧会の見どころを子供向けに分かりやすくお話しします。みんなで展示を見たあと、日本のもようを使ってブローチを作りましょう。


日 時: 2018年12月23日(日)、
      2019 年1月1日(火祝)、14日(月祝)11:00~12:00

会 場: 3階企画展示室、3階ロビー

対 象: 小学生以上 (定員20名程度・先着順)

参加費: 無料 ※事前申込み不要・大人の方は要観覧券

◎お正月 着物フリーデー


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1月1日から3日に着物でご来館の方は、本展観覧料と常設展観覧料が無料になります。


日 時: 2019年1月1日(火祝)、2日(水)、3日(木)10:00~18:00

会 場: 3階企画展示室、2階常設展示室

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展覧会名 新章 ジャパンビューティ ~栗原玉葉、夢二、松園 美人画の世界~
会  場 3階企画展示室
会  期

2018年12月12日(水)~2019年1月20日(日) ※12月17日(月)休館

開館時間 10:00~18:00(最終入館30分前まで)12/27は展示替えの為16:00閉館

料  金 一般 1,300円(1,000円)※常設展観覧料込み ※高校生以下無料
*( )は前売及び15名以上の団体、身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳持参者の料金 *長崎れきぶん友の会会員は無料

主  催 長崎歴史文化博物館、NIB長崎国際テレビ
助  成 芸術文化振興基金、公益財団法人花王芸術・科学財団
企画協力 アートシステム
特別協力 朝比奈文庫
協  賛 エフエム長崎、ガーデンシティ東長崎、長崎銘菓クルス、天然温泉雲仙よか湯、はねぎ搾りの酒蔵吉田屋、株式会社J&Jヒューマンソリューションズ、JR九州サービスサポート株式会社
後  援 長崎県、長崎市、長崎県教育委員会、長崎市教育委員会、島原市教育委員会、雲仙市教育委員会、南島原市教育委員会、長崎県観光連盟、長崎国際観光コンベンション協会、長崎県立長崎図書館、長崎市立図書館、長崎新聞社、西日本新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞西部本社、日本経済新聞社長崎支局、共同通信社長崎支局、NHK長崎放送局、長崎ケーブルメディア、長崎商工会議所、長崎県タクシー協会、長崎歴史文化協会、学校法人瓊浦学園、表千家同門会長崎県支部、茶道裏千家淡交会長崎支部、長崎いけばな連盟
前売券発売所(販売は12月19日まで。20日以降は当日券のみとなります) チケットぴあ/セブン-イレブン(Pコード:769-417)、ローソンチケット(Lコード:83732)、セブンチケット(セブンコード:070-204)、CNプレイガイド、浜屋プレイガイド、S東美プレイガイド、紀伊國屋書店長崎店(夢彩都)、メトロ書店本店(アミュプラザ長崎)
 

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