大航海時代以降の博物学の隆盛は、18世紀から19世紀にかけて、ボタニカル・アート(植物図譜)の完成期を迎えます。なかでも、ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌが栽培した数々のバラを、ルドゥーテが彩色銅版画として刊行した『バラ図譜』はその最高傑作とされています。科学としての正確さと、芸術としての優美さを併せ持つ本作品は、天才植物画家ルドゥーテの名を不動のものにしました。 |
||
「ボタニカル・アート」という言葉をご存じでしょうか。この言葉からは、「芸術的に描いた植物画」を連想しがちですが、実はそうではなく「科学的に正確に描いた植物画」を意味しています。つまり図鑑に描かれるような絵ということで、派手な感動を誘う表現はなく、淡々と正確な筆致で描かれています。近年、このボタニカル・アートが静かなブームを呼んでいます。そのブームの原因はどこにあるのでしょうか。日常の先入観を離れて、客観的な目で観察したときに、私たちはあらためて今まで知らなかった植物の新しい美を発見するのではないでしょうか。目まぐるしい現代社会の中で、一本の花の前に立ち止まり、じっと見つめることで発見する静かな感動の瞬間を、私たちは潜在的に期待しているのではないでしょうか |
||
このボタニカル・アートの世界に、科学的な正確さと、芸術的な優美さとをともに備えた新境地を切り開いたのが、ピエール・ジョゼフ・ルドゥーテ(1759〜1840)です。ルドゥーテは現在のベルギーの地に、代々画家の家系の三男として生まれ、当然のように画家を志しました。当時のヨーロッパは、ロココ様式の華やかで装飾的な絵画が隆盛を極め、ルドゥーテも花をモチーフに装飾的な絵を描いていました。当時の盛り花の絵画は早春の花と夏の花が同じ花瓶に生けられているように、季節を無視した非科学的な取り合わせの絵画でしたが、それが当然と思われた時代だったのです。しかし同時に、18世紀から19世紀にかけての時期は、大航海時代の後を受けて博物学が盛んになり、多くの博物誌や博物図鑑がつくられました。そこでは花々を装飾的に描くことではなく、一本の花の構造や細部を正確に描くことが求められてきました。 |
||
「花の画家」としての名声を得ていたルドゥーテは、1805年にナポレオン皇妃ジョゼフィーヌがパリ郊外のマルメゾン宮殿の庭につくった植物園の記録係となりました。ジョゼフィーヌはこの庭にバラをはじめ数々の植物を集め、ルドゥーテにその記録画を描かせました。そこでルドゥーテは無味乾燥になりがちな植物画を、徹底した写実性を追求することにより、芸術的な優美さを備えた完成された芸術作品へと結実させることに成功します。その最高傑作が、『バラ図譜』です。 |
||
『バラ図譜』は銅版画に手彩色した作品ですが、その手法はより写実の精度を増すためにスティップル・エングレーヴィング法(点刻彫版)という特殊な技法で描かれています。通常銅版画では物の輪郭線は線で描かれますが、スティップル・エングレーヴィング法では輪郭線を描かず、無数の点で植物の茎や葉や花びらが描かれています。細いニードルで一つづつ点を彫っていくこの技法は気の遠くなるような作業ですが、それによってより正確な写実表現と立体表現が可能になりました。ルドゥーテは装飾性を排除し実物に忠実に迫ることによって、つくられた「美」ではなく、自然の「美」を見出したと言えます。 |
||
◎ドレスコード割引 バラのアイテムを身につけてご来館の方は、当日料金から100円引き。 ※他の割引との併用はできません ◎国際博物館の日は先着100名様に粗品プレゼント 国際博物館の日: 2015年5月18日(月) ◎ゴールデンウィークは小中学生無料! 2015年5月2日〜6日、小中学生はLES ROSESを無料でご覧いただけます。 ◎LES ROSES × グラバー園 相互割引 グラバー園とLES ROSES入場券の半券呈示で両施設が割引(前売料金)になります。 |
||
|
||
旧武家屋敷に残る平戸ミステリーローズの見学と、平戸藩主の別邸庭園を訪ね、花を通して平戸の歴史と文化を探訪します。 開催日: 2015年5月3日(日) 場 所: 平戸市(松浦史料博物館、棲霞園、梅ヶ谷津偕楽園、旧武家屋敷) 定 員: 40名(最小催行人員35名)※定員になり次第受付終了 ※先着順 申込締切: 2015年4月24日(金) 参加費: お一人様7,000円(昼食代込み) ※PDF案内ちらしダウンロードはこちらから |
||
|
||
|
会 場: 1階講座室 定 員: 先着35名 参加費: 「LES ROSES」チケットが必要です バラに魅せられて 日 時: 2015年4月26日(日)13:30〜14:30 講 師: 田中丸栄子氏(佐世保バラ会会長) ヨーロッパに渡った日本の植物〜シーボルトが残したもの〜 日 時: 2015年5月23日(日)13:30〜14:30 講 師: 竹内有理(当館教育普及グループリーダー) 私のバラづくり〜土を使わない養液栽培〜 日 時: 2015年5月30日(日)13:30〜14:30 講 師: 播磨嗣雄氏(佐世保バラ会副会長) |
|
|
||
|
展示室もしくはグラバー園で美しいバラの絵を描いてみましょう。 受付期間: 2015年4月25日(土)〜〜5月31日(日) 会 場: 3階企画展示室、グラバー園 対 象: 小中学生 参加費: 「LES ROSES」観覧料200円(5/2〜5/6は無料)または グラバー園入園料140円 作品は5月20日〜6月21日の期間、企画展示室にて展示します。 |
|
|
||
|
期 間 2015年4月25日(土)〜5月10日 会 場 1階エントランス 協 力 花芸安達流、小原流長崎支部 ※観覧無料 【体験教室】バラで生け花を作ってみよう 日 時: 2015年5月5日(火祝)(1)10:30〜12:00 (2)13:30〜15:00 会 場: 1階エントランス 定 員: 各回20名 ※要事前申込み 参加費: 1,000円 対 象: 小学生 指 導: 小原流長崎支部 |
|
|
||
|
フルート四重奏 日 時: 2015年5月2日(土)(1)13:30〜 (2)15:00〜 会 場: 3階企画展示室内 演 奏: OMURA室内合奏団フルート・カルテット 濱砂由美子(フルート)、齋藤享(ヴァイオリン) 入場料: LES ROSESチケットが必要です。 フルートアンサンブル 日 時: 2015年5月10日(土)・17日(1)13:30〜 (2)15:00〜 会 場: 3階企画展示室内 演 奏: フルートアンサンブルFINK 入場料: LES ROSESチケットが必要です。 |
|
|
||
|
フラワーアレンジメント 日 時: 2015年5月6日(水祝)14:00〜15:00 会 場: 1階講座室 講 師: 安達みき(KTN西日本文化サークル) 定 員: 20名 ※要事前申込み ※剪定ばさみをご持参ください 参加費: 2,800円(LES ROSESもご観覧いただけます) ボタニカルアートを描いてみよう 日 時: 2015年6月13日(土)13:30〜16:30 会 場: 1階講座室 講 師: 細川武子(日本植物画倶楽部会員・ふくおか植物画会会員) 定 員: 15名 ※要事前申込み 参加費: 2,000円(LES ROSESもご観覧いただけます) ※透明水彩と細密画用筆をお持ちの方はご持参ください。 |
|
|
||
|
日 時: 2015年5月16日(土)・17日(日) 会 場: 1階エントランス、講座室、会議室 主 催: 華道家元池坊長崎正風会支部 |
|
|
||
|
会 場: 1階ホール前 ※観覧無料 ボタニカルアート作品展示 日 時: 2015年5月20日(水)〜6月21日(日) 協 力: 西の会 トーク 日 時: 2015年6月7日(日)11:00〜12:00 講 師: 加野尚志(二紀会委員) |
|
|
||
日 時: 2015年6月13日(土)18:00開演(17:30開場) 会 場: 3階企画展示室 入場料: 2,000円(LES ROSESもご観覧いただけます) 主 催: 益田ギターアカデミー ※案内チラシはこちら↓から http://www.nmhc.jp/exhibition/2015/lesroses/img/guiter0613.jpg |
||
|
||
|
日 時: 2015年6月20日(土)15:30〜 会 場: 1階エントランス 演 奏: 長崎県新演奏家協会 ※観覧無料 |
|
|
||
会 場 | 長崎歴史文化博物館 (〒850-0007 長崎市立山1−1−1) 3階企画展示室 |
---|---|
会 期 | 2015年4月25日(土)〜6月21日(日) 開館時間 10:00〜18:00 (最終入館17:30) 休館日 5月19日(火)、6月16日(火) |
料 金 | 大人 1,100円(800円) 高大学生800円(500円) 小中学生400円(200円) *( )内は前売・及び15名以上の団体、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳持参者料金 *長崎れきぶん友の会会員は無料 |
お問合せ | 電話 095-818-8366 |