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企画展「伊藤若冲と京の美術〜細見コレクションの精華」

京都市・岡崎に位置する細見美術館は、大阪の実業家・故 細見良(ほそみ・りょう)氏(初代古香庵(ここうあん、1901−79)にはじまる細見家三代のコレクションをもとに、平成10(1998)年に開館しました。収蔵作品は、平安時代の王朝美術から鎌倉時代の仏教・神道美術、室町時代の水墨画や根来(ねごろ)、茶の湯釜、桃山時代の陶磁器・蒔絵・七宝工芸に風俗画、そして琳派や伊藤若冲を中心とする江戸時代の絵画など、日本美術の各時代・各分野を網羅する優品の数々からなります。
今回の展覧会では、細見美術館の貴重なコレクションの中から、奇想の画家・伊藤若冲の作品をまとめてご紹介するほか、東山や祇園祭を描いた遊楽図や祭礼図、源氏物語などを題材とした物語絵画、茶陶・茶の湯釜、琳派の絵画などを厳選して展示し、日本美術の多彩な魅力をご紹介します。
「日本美術の教科書」とも称される細見コレクションをとおして、それぞれの時代が育み、守り伝えてきた京の美意識に触れていただければ幸いです。

【イベント情報はこちら】

展示内容

東山名所図屏風(右隻)

 

1.都に遊ぶ 〜名所遊楽と祭礼の世界
 

京の都では、宮中や社寺を舞台に年中行事が数多く行われてきました。
賀茂競馬や祇園祭などの長い歴史をもつ祭礼は特によく知られ、その賑わいのさまは、主に桃山時代以降、「名所図」や「祭礼図」「遊楽図」などに描かれるようになりました。
またその頃から東山や北野神社といった京都の周縁部の社寺でも花見などの行楽が盛んになり、一方四条河原に遊興地も出現。新たな名所が数多く誕生したのです。
四季を楽しみ、名所への行楽、祭礼への参加に趣向を凝らした往時の人々。その様相を描いた作品は、彼らの心意気を生き生きと今に伝えています。


伊勢物語図扇面「河内越」神坂雪佳  

2.都の美意識I 〜王朝のみやび
 

平安時代に隆盛した和歌や物語は、美術作品において雅趣を表す格好の主題となりました。
流麗な筆跡の和歌と美しい料紙との取り合わせは、後に光悦、宗達ら琳派による作品に結実します。
また『伊勢物語』『源氏物語』も近世まで盛んに絵画化されました。
さらに王朝文学をテーマとした古典意匠も、主に蒔絵のデザインとして華やかに展開しました。
謳われた季節の風情や恋心、物語の名場面などに、感情を託し、趣向を表現する― インテリジェンスとエレガンスに満ちた楽しみは、古典文学を熟知する教養高き人々の間でこそ成り立った、古都ならではの芸術といえるでしょう。

茶の湯
 
 

3.都の美意識II 〜茶の湯の心
 

鎌倉時代、中国から禅宗とともに伝えられた茶の湯。
桃山時代も「侘茶」の確立により、それまでの唐物珍重の志向から、国産のやきものなどにも目が向けられるようになります。
そうした新しい需要は、産地での技術革新をさらに促し、志野、織部などの個性的なやきものが生まれました。
伝統を重んじながら造形や変化を受け入れる都の好みは今に続いています。
細見コレクションの礎を築いた初代古香庵も、それまでお茶の世界では顧みられなかった仏具や根来を積極的に採り上げました。彼もまた、自らの流儀で茶の湯を楽しんだ「数寄者」と言えるでしょう。
 

子犬に箒図・伊藤若冲、四季草花図・神坂雪佳  

4.若冲と都の絵師〜華ひらく個性
 

伝統に依りながら個性を磨いた京の芸術家たち。その挑戦は、江戸時代に多様な展開を遂げることとなります。
江戸初期の京都では、俵谷宗達がやまと絵を基盤に琳派様式を確立、京の町衆に愛好されてきました。
江戸中期には、さらに新しい絵画様式や個性的な画家たちが登場。中国への憧れを反映した文人画や、円山応挙の写生画など、この時代の最先端として人気を博しました。
中でも伊藤若冲は極めて独創的な画風で人々を魅了しました。それは既存の流派にこだわらず、自由な活動を受け入れた京という都の柔軟性をも示しています。 
近代では神坂雪佳が、琳派を手本として装飾美の世界を追求し、新しい時代の京都にふさわしい作風を展開しました。

 

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関連講演会・イベント情報

関連イベント

 

いけばなイメージ

 

 

小原流琳派調いけばな

 

俵屋宗達、尾形光琳などに代表される琳派の絵画には植物を題材に描いたものが数多くあります。「伊藤若冲の京の美術」で展示している「四季草花図屏風」もそのひとつです。華やかで装飾的な琳派の絵画的世界を生け花で表現したのが琳派調いけばなです。
このたび展覧会にちなみ、小原流長崎支部による生け花を展示していただきます。観覧は無料です

 

会 期 @2014年4月26日(土)〜4月29日(火祝)

    A2014年5月1日(木)〜5月6日(火祝)

場 所 1階エントランス

協 力 小原流長崎支部

 

関連イベント

 

絵付けイメージ

 

 

京焼の絵付けの実演

 

「京焼」は桃山時代から作られた京都の伝統的なやきもので、華やかな上絵付けが特徴です。公家や武家、上層町衆、寺院、茶家などの間でもてはやされ、茶の湯の隆盛とともに発展していきました。
その雅な京焼の絵付けの修業をしてこられた長崎在住の絵付師・廣田友理さんに実演をしていただきます。観覧は無料です。

 

開催日 2014年4月26日(土)〜〜4月27日(日)

場 所 1階エントランス

絵付師 廣田友理

 

特集展示

 

イメージ

 

 

京で活躍した長崎の絵師たち

 

伊藤若冲への影響も指摘されている黄檗層・鶴亭をはじめ、京の都で活躍した長崎の絵師の作品をご紹介します。

 

会 期 2014年4月16日(水)〜6月16日(月)

時 間 8:30〜19:00

会 場 2階美術展示室(歴史文化展示ゾーン内)

観覧料 常設展観覧料でご覧いただけます

     大人600円、小中高校生300円
     ※長崎県内の小中学生は無料
     ※企画展とのお得なセット券もあります

 

 

関連事業

 

関連事業

 

 

伊藤若冲と京の美術〜細見コレクションの精華〜

 

(アクロス学び塾)

 

日 時 2014年4月19日(土) 14:00〜15:30

場 所 アクロス福岡

参加費 500円 ※要事前申込

定 員 70名

講 師 植松有希(当館研究員)
お申込み・お問い合わせ:
アクロス福岡文化観光情報ひろば TEL: 092-725-9100

 

ワークショップ

 

宝ものの扱い方(イメージ)

 

 

「宝もの」の扱い方

 

掛け軸のかけ方や作品が入った箱のしくみ、紐の結び方などの取り扱い方法を学ぶ、初心者向けのワークショップです。

 

日 時 2014年3月30日(日)、4月13日(日)

     14:00〜15:30 (対象:小学4年生以上)

場 所 2階イベントの間 立山亭

定 員 各日12名

参加費 企画展チケットが必要です

講 師 当館研究員


※3月15日以降電話で受付。先着順。

 

講演会

 

講演イメージ

 
  時 間 14:00〜15:30
  会 場 1階ホール
  定 員 140名

  参加費 無料

 

 

 
テーマ 「細見コレクションと伊藤若冲


開催日 2014年3月21日(金・祝)


講 師 細見良行氏(細見美術館 館長)

 

 

 

テーマ 「京で活躍した長崎の絵師たち


開催日 2014年4月20日(日)


講 師 植松有希(当館研究員)

 

   

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アクセスマップ

会  場 長崎歴史文化博物館 (〒850-0007 長崎市立山1−1−1) 3階企画展示室
会  期 2014年3月21日(金祝)〜2014年5月11日(日)

開館時間 10:00〜18:00 (最終入館17:30)
 
休館日   4月15日(火)
料  金 大人 1,200円(1,000円) 高大学生800円(600円) 小中学生400円(300円)
*( )内は前売・及び15名以上の団体、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳持参者料金
*長崎れきぶん友の会会員は無料
お問合せ 電話 095-818-8366

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