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歌川国芳展〜奇想の浮世絵師による江戸案内〜

歌川国芳(1797-1861)は幕末の浮世絵界で活躍した絵師で、力強く大胆な構図の武者絵、奇想天外でユーモアに溢れた戯画を多く生み出し、その浮世絵の枠にとどまらない多彩な魅力は近年、大きな注目を集めています。その評価は世界的にも高まり、近年ロンドンやニューヨークでも展覧会やシンポジウムが開催され、欧米の研究者たちの研究熱も勢いを増しています。
江戸末期、『水滸伝』シリーズで「武者絵の国芳」と呼ばれるほどの人気を得、その人物画の刺青(ほりもの)が江戸中で流行するほどでした。国芳の多彩な才能はまた、三枚続のワイド画面を最大限に活用したパノラマ的描写の物語絵、明るく小粋な女性をおおらかに描いた美人画、西洋の遠近法や陰影法を巧みに取り入れた風景画、愛情あふれる観察眼から生まれた子供絵や動物画などあらゆるジャンルに発揮されました。戯画における発想の独自性と豊かさには時代を超えた驚きと笑いが満ちています。
本展では、その代表作から初公開作品まで、前後期あわせて152点を展示。江戸の文化や風俗、娯楽など身近で親しみやすいテーマを取り上げ、華やかな江戸のさまざまな楽しみをご紹介します。

さらに、無類の猫好きとして知られる国芳の愛情あふれる猫の姿を描いた「国芳の猫たち」は長崎会場限定の特別展示となります。

展示内容

 

国芳もやう正札附現金男 野晒悟助(前期展示)

 

 

花のお江戸のファッション・グルメ

 

江戸のファッションは「粋」が身上。女も男も流行には敏感でした。国芳が描く着物やかんざしなどの装飾品からは当時のトレンドが分かります。
すっきりとした縞の着物が似合うおきゃんな娘、勇み肌のいなせな男のスタイルを堪能できます。
また、いつの時代も食は女性の楽しみ。人気のお菓子屋に並び、江戸前の寿司やうなぎを味わう姿も描かれています。


団扇絵「江戸三景 王子」  

季節を楽しむ江戸っ子のレジャー

 

江戸美人が季節ごとに楽しむ花見や花火、夕涼み、雪あそびなど四季折々の風物や、曲馬などの見世物興業、盛り場のにぎわいなど江戸の生活に根ざす娯楽がいきいきと描き出されています。また子供の季節の遊びも数多く描いており、川遊びや相撲、いくさごっこなどに興じる愛らしい姿からは、国芳の子供に対する暖かい眼差しが感じられます。


東都名所 両国柳ばし  

国芳の江戸散歩

 

自然の中に人々の生活の営みを描き出した国芳の風景画を通して、江戸の名所を紹介します。一種シュールでどこかエキゾチックな描写は、ダイナミックな北斎や叙情的な広重の名所風景とも一線を画します。西洋画法を学んだ国芳の風景画は、カメラ・アングルを感じさせ、あたかもある日のスナップ写真を見るように、江戸の町を描いています。国芳の筆に乗って、江戸の町にタイム・スリップしてみましょう。



かしら一つ(後期展示)  

江戸のコミカルワールド

 

底抜けに明るいユーモアとウィットに富んだ戯画は国芳の独壇場。天保の改革によって役者絵、遊女・芸者風俗の絵が禁止されたことがかえって縦横無尽な発想を生む事となりました。擬人化された動物や化物のコミカルな世界をはじめ、パズルのようなはめ絵や影絵、猫の曲芸図など洒落た江戸っ子のエスプリを十分に味わうことができます。


通俗水滸伝豪傑百八人之一個 浪子燕青  

英雄たちの大冒険

 

当時の江戸では冒険奇談の小説が流行し、超人的な活躍を繰り広げる英雄たちが国芳の筆によって鮮やかに描き出され、江戸の人々は胸を躍らせました。
特に「水滸伝シリーズ」で一躍脚光を浴びることになった武者絵は迫力満点で、中でもワイドな画面を活かしてスペクタクルに描いた大判三枚続の作品には、イマジネーションを絵画化する国芳の卓越した手腕が表れています。


 

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特別展示
国芳の猫たち 
国芳は無類の猫好きとして知られています。美人画にさりげなく猫を描き、猫を擬人化させてユーモアあふれる表現にしたりと、さまざまな作品に猫を登場させています。その巧みな描写は見事で、猫への深い愛情が感じられます。本章は長崎会場限定の特別展示として、猫が登場する作品を全32点(前後期で展示替えあり)集めて展観します。

《特別展示》国芳の猫たち

   

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関連イベント
講演会 歌川国芳の画想  

 

講 師 岩切友里子氏(本展監修者・浮世絵研究家)

日 時 2013年6月8日(土)14:00〜15:30

会 場 1階ホール

定 員 140名

参加費 無料

 

国芳に挑戦!オリジナルうちわづくり  

 

日 時 2013年6月16日(日)、7月13日(土)13:30〜15:00

会 場 1階または3階エントランス

対 象 小学生以上

参加費 100円(材料費)

 

和文化体験

 ※要事前申込


 参加ご希望の方は、
 ハガキ(〒850-0007長崎市立山1-1-1)か
 FAX(095-818-8407)に、
 @講座名 A参加者氏名(フリガナ)
 B住所 C電話番号をご記入のうえ
 当館までお申込ください。

 

 

   

開催日 2013年7月13日(土)〜15日(月祝)

 

《着物でまち歩き》
時 間 10:00〜18:00(最終受付16:00)

会 場 2階イベントの間 立山亭

参加費 お一人様 3,000円

 

《着付教室》

時 間 10:30〜12:30、13:30〜15:30

会 場 2階イベントの間 立山亭

参加費 2,000円(1回)

 

企画協力:DOUBLE 協力:佐和きもの着付教室

 

   

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アクセスマップ

会  場 長崎歴史文化博物館 (〒850-0007 長崎市立山1−1−1) 3階企画展示室
会  期 2013年6月8日(土)〜2013年7月24日(水)

※前期:6月8日(土)〜7月1日(月) 後期:7月3日(水)〜7月24日(水)

開館時間 8:30〜19:00(最終入館は18:30まで)

休館日   7月2日(火)
料  金 一般 800円(700円)中高生 500円(400円)小学生以下無料
*( )内は前売・団体料金

※前期購入したチケットの半券提示で後期再入館が半額
(一般800円→400円、中高生500円→250円)
お問合せ 電話 095-818-8366

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